インド洋の島を襲った大型サイクロン。被害拡大の背景に、ある事情が浮かび上がってきました。
見渡す限り広がるがれきの山。アフリカ東部に位置するフランス領のマヨット島。週末、街の景色は一変しました。ここ100年で最強とされるサイクロン「チド」が直撃したのです。
フランス気象局 現地の気象予報士 「不運だったのは島を直撃するコースだったことです。少しでもずれていたら、もう少し北だったら、ここまでの被害はなかったでしょう」
最大瞬間風速60メートルの風によって多くの建物が破壊され、町は壊滅状態に。犠牲者が数千人に上る恐れも出ています。
地元住民 「大半の家はトタン板で作られていたので、こうした住居はひとたまりもありませんでした」
甚大な被害となった背景にあるのが「不法移民」の問題です。
ルタイヨー内相 「住民32万人のうち、大体10万人が…」
ビュフェ海外領土相 「25%が外国人で、半数が不法滞在者」
サイクロン襲来を前に当局は避難所を設置していましたが、多くの住民が「不法移民を取り締まるための罠」だと考え、利用しなかったとみられています。