トランプ大統領が新たに表明したのが「相互関税」。私たちの生活にどんな影響があるのか。専門家に聞きました。
■トランプ氏表明「関税はフェアに」
アメリカ産の牛肉を扱うステーキ店。
トニーローマ 幕張WBG店 的場浩之店長 「仕入れが安くなるのはありがたい。輸入牛肉を使っているので(関税は)一番気になる」
牛肉を取り巻く環境が劇的に変わるかもしれません。その訳は…。
アメリカのトランプ大統領が記した、この署名。
トランプ大統領 「言っておきます。相互であること。これで関税はよりフェアなものになると思う」
貿易相手国の関税と同じだけの関税を輸入品に課す「相互関税」を発動すると発表したのです。
日米間の主な関税率がこちら。日本側は特にコメと肉類に高い関税をかけていることが分かります。
トランプ大統領 「他国が何も課さないならアメリカも何も課さない。これは非常にうまくいくだろう。互いにゼロとゼロの状態になればハッピーだ。関税はなくなる」
■「相互関税」発動へ 日本に影響は
国際経済に詳しい専門家は…。
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏 「(アメリカが)最も関心を持っているのは日本がアメリカから輸入する農産物の関税率が高め。できれば関税率を下げて輸入を増やしてほしいこと」
トランプ大統領の目的は、アメリカの品に対する関税の引き下げや廃止だといいます。日本で対象になりそうな貿易品は。
木内登英氏 「アメリカから日本へのコメの輸出はわずかだと思うので、関税率は高いことは確かだが、そこは問題視されていない。日本から輸入している牛肉の関税をかけない交渉で、アメリカ産の牛肉価格を下げる方向に議論が進んでいく可能性」
関税が下がることで、日本国内に出回るアメリカ産の牛肉が安くなる可能性があります。
的場浩之店長 「価格転嫁につながるのかもしれない。今まで円安で仕入れが上がっていたので、下げられるかは分からないが、頑張ってみようかと思う」
その一方で、アメリカ産が流通することで価格競争が起こり、国産牛を扱う関係者にとっては厳しい状況になる懸念も…。
トランプ大統領は相互関税の発動に向けて、貿易赤字の多い国から調査を始めるということです。