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日航機墜落40年“そのあとに” 御巣鷹事故遺族が文集出版

社会

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 520人が犠牲となった日航機墜落から40年。遺族らの文集が出版されました。その中心には息子を亡くした女性の存在がありました。

美谷島邦子さん 「大変、山はね。閉山は色んな所を回って帰るんですけど。次の年まで登れないので」

 美谷島邦子さん(78)。9歳だった次男・健さんを亡くし40年間、遺族らの中心となって空の安全を願い続けてきました。

 1985年の8月12日。日本航空のジャンボ機が群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落。乗客・乗員を合わせて520人が命を落としました。

 その遺族らがしたためた手記がこの夏、文集となって出版されました。題名は事故機の乗客らが機内から見たであろう夕焼け空にちなんで、「茜雲 そのあとに」。

「『ただ一つ願いが叶うものならば 消えてなくなれあの夏の日よ』。この思いは40年経った今でも全く変わらない」

 手記を寄せたのは遺族ら32人。その中心となったのが美谷島さんです。

「『お母さん、もう少し楽しんでから来てね』。少し照れ屋で臆病な亡き子の声が聞こえてくる。空港で別れた時の9歳のままで私に手を振る」

 出版前の4月、御巣鷹の慰霊碑を訪れ、こんな言葉を書き記していました。

「茜雲のそのあとがこれから始まる」

美谷島邦子さん 「そのあとって安全ですよね、命を守ることを入れたつもりです」

 遺族として何ができるのか。先月、美谷島さんの姿は日本航空の本社にありました。

美谷島邦子さん 「安全は目には見えないが、安全でないことは目に見える。安全を保つためには、どんな油断も許されないのです」

 補償や責任のあり方、事故機の保存方法などについて日本航空と厳しく向き合ってきた美谷島さん。こんな言葉で講演を締めくくりました。

美谷島邦子さん 「御巣鷹山の空から一緒に安全を創っていきましょう」

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