三陸沖の海水温が平年よりおよそ6℃高く、平年との差が世界で最も大きい状態になっていることが東北大学などの研究グループの解析で分かりました。
東北大学 杉本周作准教授 「約2年にわたって三陸沖は6℃上昇しています。2年という長さにわたって続くというのはデータ利用可能な期間で調べる限り初めてのこと」
東北大学の杉本周作准教授らのグループは、1982年からのデータなどを解析し、三陸沖では直近のおよそ2年で海面水温が平年より6℃ほど高い状態が続いていることを明らかにしました。
平年との違いでみると温度の差は世界で最も大きい水準だということです。
原因は従来、千葉県の銚子沖を東に流れる「黒潮続流」が、北に大きく張り出したことだとしています。
また、この水温の異常は海では深さ700メートルまで、上空では2000メートル付近まで影響しているとも指摘しました。
杉本准教授は、この状況が続けば、東北地方で夏に吹いて時に稲の冷害をもたらす季節風「やませ」にも変化をもたらす可能性があるとしています。
杉本准教授 「今までとは全く違う『やませ』になってしまう。むしろ暑い風をたくさんもたらし猛暑を引き起こす、そんな『やませ』になるかもしれない」
杉本准教授らのグループは、今年6月に観測船でこの海域の詳細を調査する予定です。