フランスで留学中だった黒崎愛海さん(当時21)が行方不明となった事件で、フランスの最高裁にあたる破棄院は26日、元交際相手のチリ人の男に言い渡した禁錮28年の控訴審判決を破棄しました。
黒崎愛海さんは2016年12月、留学中のフランス東部・ブザンソンで行方不明となりました。
直前に会っていた元交際相手でチリ人のニコラス・セペダ被告(34)が殺人罪に問われ、1審・2審ともに禁錮28年を言い渡され、弁護側がフランスの最高裁にあたる破棄院に上告していました。
破棄院は26日、控訴審で証人となった捜査官が、事前に弁護側に提出していなかった資料を法廷で投影したり、この捜査官が自らの判断で新たな捜査をしたことが、法律に違反すると判断し、控訴審判決を破棄しました。
破棄院は、裁判所が法律を正しく適用したかどうかを検証する機関で、被告が有罪か無罪を判断することはなく、今回の判断によってセペダ被告が釈放されることはありません。
今後、フランス南東部のリヨンにある裁判所「ローヌ県重罪院」で、セペダ被告の3度目の公判が開かれることになります。