10月31日投開票の衆議院選挙も後半戦に突入。
注目選挙区・香川1区では、過去6回にわたり激戦を繰り広げてきた自民党と立憲民主党の前職2人と、公示直前に名乗りを上げた日本維新の会の新人の三つどもえの戦いとなりました。
全国的にも注目を集める選挙区の候補者それぞれの訴えと選挙戦の行方を追いました。
衆議院が解散となった10月14日 事実上の選挙戦がスタート
衆議院が解散となった10月14日。夕方、同じ航空便で前職2人が高松に戻り、事実上の選挙戦をスタートさせました。
(立憲民主党・前職/小川淳也 候補)
「(Q.いよいよですね?)頑張りたいと思います」
(自民党・前職/平井卓也 候補)
「香川1区の皆さんに再度ご恩返しをするために」
その翌日、高松市では、新人が立候補を表明しました。
(日本維新の会・新人/町川順子 候補)
「まずは私が、この香川1区で声を上げようって思いました」
衆院選注目選挙区「香川1区」 前職2人と新人の三つどもえ
香川1区に立候補しているのは届け出順に立憲民主党・前職の小川淳也さん(50)、日本維新の会・新人の町川順子さん(62)、自民党・前職の平井卓也さん(63)です。
(立憲民主党・前職/小川淳也 候補)
「はっきり申し上げます。既得権の上に乗ったいわゆる世襲政治。これをここ香川1区から、変えてまいりましょう」
(自民党・前職/平井卓也 候補)
「既成概念、既得権益と誰が戦っているのかということをぜひ皆さん、一人一人の目で確認していただきたい」
香川1区では、過去6回にわたり平井さんと小川さんが議席を争い、初対決の2003年を除いては敗れた方が比例復活を果たす接戦が続いています。
これまで平井さんの5勝1敗ですが、小川さんはここ2回、徐々に票差を詰め、4年前の前回はわずか2100票あまりの差でした。
立憲民主党・前職/小川淳也 候補
小川さんは、前回の衆院選以降、国会での論戦や密着取材を受けたドキュメンタリー映画の公開などで全国的に知名度を上げました。
「与野党が伯仲する緊張感のある国会をつくる」と立憲民主党の次の代表選に出ることを明言しています。
(立憲民主党・前職/小川淳也 候補)
「力強い、まとまった野党を日本の選択肢にしていきたい。そのためにやってますので、そこにいよいよ歩みを進めていきたい。いく責任があると自覚してます」
選挙戦では、枝野代表や蓮舫代表代行ら党の幹部が次々と応援に訪れています。
(立憲民主党/枝野幸男 代表)
「ここでまずきちっと、小選挙区で堂々と勝たせていただく。そのことで、大きく小川淳也が飛躍をするその絶好のチャンスを迎えている」
自民党・前職/平井卓也 候補
一方の平井さんは菅内閣肝いりのデジタル庁の創設を実現し、初代デジタル大臣を務めました。
2度の閣僚経験をアピールしつつ、香川県と高松市を国の成長戦略の柱であるデジタル化で日本をリードするエリアにすると訴えます。
(自民党・前職/平井卓也 候補)
「いずれお役に立ちます、頑張っていますというようなことで皆さんの一票をいただくつもりはありません。いつまでに何をしますということを具体的にコミットした上でそれを実現するための皆さんの時間を貸してください」
こちらにも金子総務大臣や牧島・現デジタル大臣ら閣僚の応援が入っています。
(牧島かれん デジタル大臣)
「世界にとって、日本にとって、そして一番弟子をはじめとする多くの弟子たちにとって、平井卓也という存在はなくてはならない、国会にいてもらわなくてはならない存在」
日本維新の会・新人/町川順子 候補
そんな2人の候補者に割って入るのが町川さんです。
(日本維新の会・新人/町川順子 候補)
「香川の皆さん、四国の皆さん、全国の皆さん、気づいてください日本維新の会があることを」
香川県出身で、2021年8月まで鈴木宗男参議院議員の秘書を務め、北海道で衆院選に立候補した経験もあります。ベーシックインカムをはじめ、維新の政策を香川にも広めたいと訴えます。
(日本維新の会・新人/町川順子 候補)
「しがらみを持たずに改革を推し進めてきた日本維新の会がここ香川でも選択肢の中にあると町川順子は名乗りをあげました。この香川で、生まれ育った香川で世のため人のために働きたい」
応援に駆けつけた馬場幹事長は「関西以外に党の勢力を拡大する足掛かりにしたい」と話します。
(日本維新の会/馬場伸幸 幹事長)
「四国は比較的、近畿に近いということもあって維新を支持してくれる方割と多いと思う。とにかく1人でも2人でも四国から国会議員を出していく」
公示直前の立候補表明に他の候補は
維新は2012年にも香川1区に候補者を擁立。公示直前の立候補表明にもかかわらず約2万票を獲得しました。
同じく急きょとなった町川さんの出馬について他の2人の候補は?
(立憲民主党・前職/小川淳也 候補)
「両方からおそらく得票されるんでしょうし、あまり影響とか結果について言及することは控えたい」
(自民党・前職/平井卓也 候補)
「有権者にとって、選択肢が増えたという意味では有権者にとってはよかったのではないかと思いますが、私にとっていいかどうかは全く判断できません」
(日本維新の会・新人/町川順子 候補)
「今の政治に変わってもらいたいからそれを発信するために出てるので私の敵は平井さんでも小川さんでもないんですよね」
それぞれの戦い方でしのぎを削る3人
小川さんは6月の国会閉会以降、ほぼ地元に張り付いて草の根活動を展開。コロナ禍とあって、屋内での大規模な集会は控えつつ、市街地や島で有権者との対話を重ねています。
(立憲民主党・前職/小川淳也 候補)
「かつてない期待感というのか、感じてはいます」
(自民党・前職/平井卓也 候補)
「今回の選挙は私自身、本当に政治生命を賭ける戦いになりました」
閣僚という立場だったため「出遅れた」と語る平井さんは企業や団体を中心とした組織固めを急いでいます。また、有権者2万人との対話を目標に掲げ、精力的に青空集会などを行っています。
投開票日が想定よりも1週間早まり、短い準備期間で選挙戦に突入した町川さん。街頭演説に加えて動画配信を活用して党への支持が厚い若い世代に呼び掛けます。
(日本維新の会・新人/町川順子 候補)
「選挙に出るって10月4日に決めた時からもうYouTubeで勝負するぞって」
それぞれの戦い方でしのぎを削る3人。31日の投票日に向け、訴えはさらに熱を帯びそうです。