高松市の障害者支援施設が利用者9人に退所を求め、9日に退所期限を迎えました。高松市の大西市長は12日の市議会で「強制退所となったことは大変遺憾だ」と話しました。
自閉症と診断された重度の知的障害者らの入所施設「ウインドヒル」は、職員の大量退職を理由に8月、一部の利用者に契約を解除すると通知し、9人の利用者に退所を求めています。一方、保護者は入所の継続を求めていて、高松地裁に仮処分を申し立てました。
契約解除日の9日を過ぎて最初の平日である11日、利用者と保護者は施設を訪れましたが、施設が受け入れることはありませんでした。
12日の高松市議会で辻正彦議員は「最も弱い立場の利用者にしわ寄せがいくことはあってはならない」として、市の対応などについて質問しました。
(高松市/大西秀人 市長)
「結果として利用者の強制的な退所となりましたことについては大変遺憾に存じている」
続けて、大西市長は利用者や保護者に対して「代替施設の確保の調整など誠意ある対応をしていきたい」と話しました。
また、市は、運営法人に対して業務改善勧告を出すことを検討するとしていますが、12日はその点について触れませんでした。
(契約解除通知を受けた保護者/藤田美代子さん)
「もっと法人に対しての話を、市の指導とか勧告とかそんなところまで触れてほしい。それだけ問題は大きいと思う」
(契約解除通知を受けた保護者/西山圭子さん)
「きょうも(息子と)一緒に来たんですけど、傍聴全部は無理だったので一度退出したりして。毎日の過ごし方を考えていかないといけないけど、家族の心情に配慮しながら考えてくださるということだったので、そこは期待したい」