ニュース

特集

やる気を出す方法は?なぜ行動できない? やる気にまつわる疑問【みんなのハテナ】

ADVERTISEMENT

ADVERTISEMENT


 視聴者の皆さんの疑問に答える「みんなのハテナ」です。今回のテーマは「やる気」です。

 2025年度が始まって約3週間。「やる気」について街で聞いてみると……

(大学生[10代])
「授業、授業があるからやる気でない、まず朝起きられない」

(2児の父[30代])
「日曜日の夜から月曜日の朝はきついです。朝、家を出る直前まで多分下を向いてる、家を出たら切り替えるように」

(2児の夫婦[30代])
「やらなきゃって思うんですけど、眠たいので寝ちゃうので、やる気あるときがない(笑)」

やる気って何?(玉野市 くまっち 56歳)

 教えてくれたのは山陽学園大学のビジネス心理学科で教育心理学を教える髙橋功准教授です。

(山陽学園大学 ビジネス心理学科/髙橋功 准教授)
「心理学では動機付けモチベーションと呼ばれているんですけど、人が何か行動を起こそうと思ってそれを持続させる力というふうに説明されていて、まああまりピンとこない説明じゃないかなと思う」

 髙橋准教授によると「やる気」は心理学の研究者の中でも意見が分かれ統合された定説はないとのこと。その中で多くの研究者が認めているのが、何かやりたいという「欲求」とその気持ちを遂げるための「行動するまで」の部分です。

 例えば、人は「お腹が空いた」などの「欲求」を満たしたいと思って食事をします。しかし「お腹が空いたけど料理を作るのは面倒」など、結果的に「行動」に至らずに欲求を満たすことなく終わることもありますよね。

 髙橋准教授は「やる気」について考えるときは最初の「欲求」から「行動までの空白」の、2つに分ける必要があるとしています。

 そうすると、このハテナを解決するヒントが見えてきそうです。

やる気があっても行動に移せない(倉敷市 めんでぃー 34歳) 

(山陽学園大学 ビジネス心理学科/髙橋功 准教授)
「その行動をすることによって何か特別なことを我慢しないといけないとか、自分を抑え付けなければいけないとか。その行動が欲求にうまくつながらないんじゃないかと思ってしまうところかなと思う」

 髙橋准教授はこの「行動までの空白」こそが現代の私たちが「やる気」はあるのに行動できないことに悩んでいる部分だと指摘。

 人はこれまでの経験からその行動が結果に結びつかないと学んでしまうと、行動に移しづらくなってしまいます。また、結果のためにほかの欲求を制限することになると総合的にやる気は落ちてしまうそうです。

(山陽学園大学 ビジネス心理学科/髙橋功 准教授)
「行動と結果の結び付きを普段から感じることができているか、そういうことが大事になる」

やる気を出す方法は?(坂出市 へのへのっち 37歳)

 それでは最も多かったハテナ。こちらも街の人に聞いてみました。

(大学生[10代])
「ずっと曲を聞いて歌う、口ずさむ」

(2児の父親[30代])
「朝一でコーヒー飲むぐらい」

(北海道から岡山へ[20代])
「ちゃんと頑張れるかどうか、割と前もって計画を立てて、計画を立てたらやるようにしてる」

(2児の夫婦[30代])
「自分にご褒美みたいな、ケーキを食べるとか欲しいもの買ってもらうとかで、やる気を起こさせています」

(山陽学園大学 ビジネス心理学科/髙橋功 准教授)
「行動と結果の結び付きが見えやすい小さな目標を立てていく。自分では(やる気のある・なしから)抜け出せないことも多いと思う、やっぱりここで大事なのが他人、他者と会話することだと思う」

 髙橋准教授がやる気を出すポイントにあげたのが、小さな目標を立てることと他者と会話すること。

 小さな目標というのは例えば家事ならキッチンに行ってみる、机をさっと拭いてみる、勉強なら机に座る、問題集を開くなど。行動がすぐに結果に結びつくことを「まずやってみる」そして、結果を「見える化」することです。

 そして他者と会話し行動と結果の結びつきについて結果に対して行動の何が良かった、良くなかったを誰かと考えることも重要だとしています。この対話はやる気を出させるのにもとても重要です。

(山陽学園大学 ビジネス心理学科/髙橋功 准教授)
「やる気を出せというメッセージを出して、やる気がでるなら苦労はないわけで。特に現代の子どもには通用しない。自分が何で成功したのかも分からないような成功ってあまり意味がない、逆に自分の行動ときちんと結び付けて反省できるようであれば失敗だって自分の人生の糧になる」

 髙橋准教授はこの時期は環境が変わり一方的な説明や指示が増え対話がしづらくなるとしています。それが「5月病」などと呼ばれる心身の疲れにも影響があるとし、適度な休みも大切だとしています。

(山陽学園大学 ビジネス心理学科/髙橋功 准教授)
「やらされ感の時期だと思う。5月くらいに少し疲れてしまうのも必然的なのかなと。疲れを癒やすかのように、まあゴールデンウィークはめいっぱい遊んで、自分の本当に好きなことをやるのはいいことだと思う」

 髙橋先生によると、やる気を出させるには褒めることも重要ですが、何が褒められているかをしっかりと伝えてあげるといいとのことです。

関連ニュース

全国ニュース(ANN NEWS)

新着ニュース