選挙で支持拡大のカギを握るのが「SNSでの発信」です。自民党総裁選では誰が上手く利用しているのか。5人の候補者の戦略に迫ります。
■総裁選候補のSNS戦略は?
シャインマスカットの海外戦略について山梨県の長崎知事から要望を受けた小泉農水大臣。
25日、総裁選に出馬した5人の候補は、あいさつまわりなどそれぞれ独自に活動。 高市前経済安保担当大臣(64) 「自民党初の女性総裁としてしっかりと力強く自民党を立て直していく、ガラッと景色を変えていく、そんな思いで立ち上がりました」
茂木前幹事長は工場などを視察。
小林元経済安保担当大臣はYouTube番組の収録を相次いで行いました。
今回の総裁選、各陣営が力を入れている一つが「SNS戦略」です。
■SNS戦略 どの候補が一番面白い?
一口にSNSと言っても、YouTube、X、インスタグラムと情報発信の打ち出し方は様々。登録者数やフォロワーを見ると、YouTubeやXでは高市氏が一歩リードしているようです。
そのなかでも、考え方や政策を伝えることが求められる政治家にとって大きな武器となるのが、時間を使って伝えることができるYouTubeです。
登録者数が5人のうち最も多い「高市早苗チャンネル」では、難しいテーマも積極的に取り上げています。
総裁選が始まってからは、政権公約を次々とアップしています。
登録者数2位の小泉氏は、去年の総裁選の時にチャンネルを開設したばかり。
他では聞けない本音トークも…。
その小泉氏は今月、TikTokを開設。政治家の日常風景を投稿するなど若い世代を意識する一方、相手の投稿に対して返信できるリプライ機能があるXでは、誹謗(ひぼう)中傷対策として、4人の候補のうち小泉氏だけ返信ができないように設定されています。
「茂木としみつの改革チャンネル」では、総裁選の舞台裏を見せつつ、茂木氏を知ってもらおうと、その人柄にもフォーカス。
笑顔の茂木氏を前面に打ち出しているように見えます。
「小林鷹之チャンネル」。実は、一番再生回数が多いのが…。
小林鷹之チャンネルより 「みなさまこんにちは。小林鷹之の家内でございます」
前回の総裁選で支援を訴える、妻で弁護士の木田秋津さんが登場した動画です。
小林鷹之チャンネルより 「大学の授業を一緒に受けていて、大きな講堂で教授の話も聞かないで2人でノートに筆談しながら話していたときに『俺、代議士になって国を良くする』と書き出して、『この人なに言っているんだろう』と思いました」
小林氏のチャンネルは、作り込んだものは少なく、1人しゃべりなど素材を生かしてシンプルに伝える動画が多く見られます。
小林鷹之チャンネルより 「『ONE自民』ってちょっとどうなんですかってあったんですけど、ダサいって言われたらダサいかもしれないですね。でもダサくていいと思うんですよね」
登録者数が少ない林氏ですが、この動画は多くの人に見てもらえているようです。
ビートルズの名曲「レット・イット・ビー」をアレンジを加えて弾いて、政界屈指の音楽家をアピールです。
■候補者×野党「コラボ動画」
今回の総裁選については、日本維新の会の藤田共同代表が候補者にYouTubeでの対談を呼び掛けていて、野党とのコラボ動画も始まっています。
国民民主党 玉木代表(56) 「“たまきチャンネル”に出たい候補者がいたら対談してもいいかなと」
総裁選挙の後は、野党との向き合い方が焦点となります。
日本維新の会 吉村代表(50) 「与党過半数割れしている中で、しっかりと野党の考え方も聞いていこうという候補者が非常に多いと思っていますが、そこは見極めたいと思います。本気でやる意思があるのかどうか、そこが重要だと思います」