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千葉・勝浦に“戻らないカツオ” なぜとれる? 想定外の水揚げに地元歓喜

経済

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 「戻りガツオ」が旬を迎えていますが、関東のある町が今、「戻らなかったカツオ」で沸いているんです。

■想定外の水揚げに地元歓喜

 朝日も登りきらない相模湾。釣り人たちが狙うのは…旬のカツオです。

 釣り上げられてもピチピチと跳ねながら移動するほど活きの良いカツオ。

 次から次へと釣れていくカツオ。実は今、関東周辺でカツオが爆釣。

庄三郎丸25号船 中村友紀船長 「例年になく、かなり“あたり”がある。先週くらいからちょっと良くなってきた」

 そんななか、この時期としては異例の活気をみせるところが…。

 千葉県の勝浦漁港です。

勝浦漁業協同組合 渡辺和明管理課長 「例年この時期、宮城県気仙沼漁港で集中して水揚げ。今年はなぜか勝浦に水揚げしにくる船が多い」

 勝浦では本来、9月にカツオの水揚げはなく、それが、なぜか今、勝浦でカツオが水揚げされているんです。

 25日は3隻の船がつき、およそ11トンのカツオが水揚げされました。

勝浦漁業協同組合 渡辺和明管理課長 「ありがたい話。市場もまた活気づく」

 一体なぜ、とれるはずがない勝浦でこれだけカツオがとれているのでしょうか。

■“戻らないカツオ”なぜとれる?

 勝浦の飲食店、異例のカツオを求める人でにぎわいを見せていました。

60代夫婦 「(Q.どちらから?)長野から」 「(Q.何時間かけて?)4時間くらい」

70代夫婦 「カツオがおいしい。カツオが食べたくて来たのね」

 勝浦で10年ほど飲食店を続けている店主も、この事態に喜びを隠せません。

勝浦港 市場食堂 勝喰 関和久代表 「(Q.例年、水揚げされない時期の魚が取れるのは?)うれしいよ。そりゃそうですよ、うれしいですよ」

 活気づく勝浦。一体なぜ、本来とれないはずのこの時期にカツオが水揚げされているのでしょうか。

 専門家によると、本来勝浦周辺を回遊するカツオとは別のカツオの可能性があるといいます。

漁業情報サービスセンター 水野紫津葉さん 「この時期は“戻りガツオ”が漁獲される時期。今、勝浦で揚がっているカツオは“戻りガツオ”ではない。去年のものが居残って越冬しているカツオと考えられる“越冬ガツオ”といわれる」

 なんと、今、勝浦にいるのは「越冬ガツオ」と呼ばれる、いわゆる“戻らなかった”カツオだといいます。

 勝浦を回遊するカツオは、2月ごろに小笠原諸島よりさらに南の海域から北上をはじめ、4月ごろに1度、勝浦を通過。東北沖で折り返し、同じルートをたどって戻っていきます。勝浦では11月ごろに「戻りガツオ」として水揚げされています。

 今回の「越冬ガツオ」は、本来南下していくはずがとどまり、伊豆諸島周辺などで冬を越した去年のカツオが今、関東周辺にいるといいます。

漁業情報サービスセンター 水野紫津葉さん 「日本近海で温かい所で越冬し、大きくなった大人の群れがいる。今千葉の周辺でその大きいカツオを漁獲している状況」

 異例の水揚げであっても鮮度は変わりません。

勝浦漁業協同組合 渡辺和明管理課長 「新鮮でおいしいものを今この時期に食べられる、非常にチャンスタイムだと思う」

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