岡山県里庄町の中学校で18日、生徒が避難所を設営する防災教室が開かれました。災害時、自分たちの命を自分たちで守れるよう、より多くの人にとって使いやすい避難所になるよう、考えながら取り組みました。
里庄中学校の2年生が組み立てているのは、避難所で使われる「段ボールベッド」です。
(中学2年生)
「硬い。でも結構寝られる感じ。床よりはまし、あったかいし」
「想像以上に、『ぎりぎり乗れる』ぐらいの感じだと思っていたんですけど、意外としっかりしている」
里庄中学校では2024年度、2年生が地域のハザードマップを作ったことをきっかけに防災教室を始めました。
2回目となったこの日は、段ボールベッドと並行して簡易トイレやパーティションなども組み立てました。
(中学2年生)
「なんか新鮮。こういう経験をしたおかげで(災害時)もっとすぐ組み立てられると思う」
スムーズな設営に向けて本部へ経過報告などを行う「指揮者」を各クラスごとに立てています。学校の呼び掛けで、里庄町も協力しました。
(里庄町総務課/佐藤友弥さん)
「(実際に災害が起こっても) 非常に力になると思います。災害がいつ起こるか分からないので、その時に職員が全員来られるとは限らない中、生徒さんたちに一緒になって手伝っていただけると1秒でも早く避難所を立ち上げることができる」
指定避難所でもある中学校の体育館。2018年の西日本豪雨の時にも避難所が開設されました。
(里庄町総務課/佐藤友弥さん)
「実際にどれだけの避難者が来るかを想定してある程度レイアウトは考えるんですけど(今回は)モニターになりますね、町としてもイメージができますので」
わずか30分ほどで避難所の設営を終えた生徒。今度は、簡単に貼ったりはがしたりできる屋内用の点字ブロックを貼りました。
(中学2年生)
「こっちから来る人とあっちから来る人で分けて(貼り方を)考えています」
今回、生徒がテーマにしたのは「目が不自由な人にもやさしい避難所を目指す」こと。点字ブロックを貼り終えた後は、アイマスクをした生徒をベッドやトイレまで誘導しました。
災害時、避難所での生活が難しい人のために自治体は「福祉避難所」を社会福祉施設などに開設します。
しかし多くの場合、対象となる人がまず避難するのは一般の避難所です。生徒は自分たちの命を守ることに加え、いろいろな立場の人が避難所を訪れたときの状況をイメージしました。
(中学2年生は―)
「みんなが気持ちよく、安心して使える場所にしたかった」
「みんなで協力することとか、指示を通しながらやることが生かされると思いました」
「自分(の安全を)を第1に考えて、他人のこともちゃんと考えて動けるようになりたい」
(2025年9月23日放送「News Park KSB」より)