インフレの影響で家賃の高騰が深刻なイギリスで、ホームレス問題を担当していた政権の幹部が自身が所有する物件の家賃を大幅に値上げしたことなどを理由に辞任に追い込まれました。
7日付で政務次官を辞任したのはイギリスの労働党政権でホームレス問題を担当していたルシャナラ・アリ下院議員です。
イギリス紙「アイ」によりますと、アリ氏は去年11月、自らが所有するロンドン東部の物件の入居者4人に対して「物件を売りに出すため」として退去を求めました。
その後、半年以内に家賃を14万円ほど値上げして月額約79万円で新たに入居の募集をかけたということです。
イギリス政府が現在、審議中の法案では物件の借主を守るため、物件を売りに出す目的で賃貸契約を解消した場合、半年間は賃貸物件とすることができないとしていて、「政府の姿勢に反する」と非難が相次いでいました。
イギリスでは家賃の高騰が深刻で、ロンドンの平均家賃は去年12月の時点で約44万円と前の年に比べて11.5%値上がりしていて、その対策が政府の重要課題となっています。
画像:Parliamentlive.tv